最終幕 富士の峰が見せてくれたもの


宿に着いたときには、すでに辺りは真っ暗。
入り口はこじんまりとした感じで、受付の女性が笑顔で出迎えてくれた。
ひと通りの案内を受け、いざお部屋へ。
掃除の行き届いた落ちつく部屋。夕食までの時間、さっそく温泉に入ることにした。

大涌谷から直接温泉を引いているってホームページに載っていたけどどんな感じかな?
お湯の色は、乳白色。ダイレクトに温泉が効いてくる感じがした。
「これが湯治というものか」
そんな思いも出てくるくらいに、趣のある浴場と温泉の濃さのバランスが絶妙であった。

夕食の時間。
食堂にいくと私一人の分だけが用意されている。
他にお客さんはいないのかな?気まずい…と少し戸惑ったが、ビールを飲み、ゆっくり食事をいただいていると、そんな気持ちもどこかへ消えてしまっていた。スタッフの方の心あるもてなしと、大変美味しい料理。
本当に芯から癒された感じがした。

そして迎えた、旅行最終日の朝。
強羅に来る前から観光地の大涌谷に行くことは決めていて、海外で働くことを目論んでいる私は、最終日こそ海外の観光客の方とお話しでもしてみようと、ひそかに決めていた。

朝起きて、浴室の脱衣場に行ったらびっくり。
なんと、大柄な外国人の男性が鏡に向かっていて、ひげを剃っている。
思っていたことが朝一番から的中した!

誰もいないと思っていたところに突然現れたものだから、「おー!なんとここで来たか!」と、心の中で少しワクワク。
湯船に入るタイミングを見ながら、話しかけてみることに。
その方はオーストラリアから来ていて、ラグビーの選手だったが右肩が年を重ねるごとに痛くなってきたことや、ウェールズでプレーしていたことなどを話してくれた。
出会いはいいな♪

温かな宿を後にし、いよいよ、最後の目的地である大涌谷へ向かうことにした。
早雲山駅で車を停め、ロープウェイに乗っていくのだがその場は多国籍そのもの。
ロープウェイから見える景色は心地よく、大涌谷から上がる蒸気も見えてきて、期待が膨らむ。

大涌谷駅に着くなり、最初に見たかったのはやはり富士山。
少しでも早く見たくて駅の建物の裏側に回ると、立派な富士山が目に飛び込んできた。
その情景は思いもよらない、とても一言では言い表せないものであり、その美しさにしばらく感激し、見惚れていた。



そして、旅の中で感じてきたすべてのことに対して
「答えは、こうである」 と、旅の結びに言葉をいただいた。




富士山の前に、ドーーンと引かれた「一」の文字。



「どこまで行っても、一つじゃ」
「日本の神々も、一つじゃ」
「すべの人類も、一つ」

「そのことを忘れないでおくれ、希望の選択じゃ」

自分の体験の中から自然とわき起こり
「これはこういうものだ!」と心の中で決めつけていたことも
みなそれぞれに生き方や捉え方があるから、それらは一つではない。

しかし、
意識の向け方ひとつで全てのものは一つにつながるのだよ。

その言葉。
大切なことを今回の旅の締めくくりに、教えていただいたのだ。





旅の終わりに☆

今回の旅は2泊3日の短い間でしたが、本当に濃い内容が含まれていたことを帰ってきてからもさらに感じることができました。日常に起こることを眺めると、さまざまなことが旅の中で体験したことに連続的に、そして断片的にもつながり続けていることも感じます。日々の日常も旅として捉えると、それ自体も一つひとつ繋がり続けるのだと思えます。

新しい旅をまたしてみたいと思います。
最後まで、お読みいただいて、本当にありがとうございました♪

2019年04月06日