対話旅行記

第一幕 やる気が失せたら箱根よ

時は2017年10月。思い立って出たひとり旅。それは思いもよらぬ体験の連続でした。
私が自分との対話をどのように行なっているのか、この旅を通してお見せいたします。
新しい日常に出ていく時。
自分の内側からやってくるささやきに耳を傾けていくことは、ときに重要なことでもあります。

この旅行記のなかで、大いに自分自身と対話して得た体験を、心ゆくまでお楽しみください♪




10月に入ったとたんに、なぜだろう。やる気が失せた。
どうしてこんなことが起きているのかもわからずに、ペンを執っていた。
「箱根に湯治を兼ねて、一泊旅行。」と書いていた自分……

「箱根?箱根のどこだ?」
そんなことを言われたら、どうにもすぐに出かけたくなってしまう性分。

出発を2日後の10月4日と決めた。
秋分の日をまたいで約10日間、家の大掃除を行ない、17年間全く手つかずだったほこりが高く積もった場所まできれいにして。それも「あきがくるまで大掃除。」という言葉を受け取っていたものだから、「秋が来るまで」か「飽きがくるまで」か、はたまたその両方だろうか。実際に大掃除が終わったら本当に何もかもに飽きてしまったような感覚になっていた。

だから、2日後なんて言わずにもう次の日から行きたかった。
その次の日の朝方4時ころ。右足首から指先への猛烈なかゆみ。つらい。ボリボリ掻きむしり……
アイフォンを片手に、他にどこか出かけるところはないだろうかとネットで検索するもピンとくるものは見当たらず。
気づくと再び眠りに落ちていた。

耳元でささやきかけられるような、「美ヶ原高原にいらして」という言葉。
ベッドから起き上がるとすでに9時を回っていた。

「美ヶ原高原かあ、いったいどこにあるんだ?」
ネットで調べてみる。

「ずいぶん箱根(強羅)から離れているじゃないか。ちょっと無理か…」
でも、それほど離れていないところに諏訪湖があることが判明!
諏訪湖で一泊すれば、そこから強羅に向かうとちょうど通り道に富士山があるはず!

なるほどー、そんなロングドライブもありかもな。
そんなことを考え、2泊3日の旅行の準備を始めている自分。

よし!行っちゃおうか!

今晩の諏訪湖の宿はまだ決めず、とりあえず美ヶ原高原に向けて車を走らせた。


自宅から美ヶ原高原 185km


地図右下の川越から左上のピンが立っている辺りが美ヶ原高原。
その下方にあるのが諏訪湖。


第二幕へつづく。

2019年04月06日

第二幕 颯爽とドライブに行きましょう。


関越自動車道。窓を全開に開けて、さっそうとドライブ開始。

窓から吹き込む風が最近の心のうっせきを取り払ってくれるかのようで、ご機嫌な快走ドライブ。
天気も絶好調で、秋晴れの空が心の中をさらに晴らしてくれる。

佐久インターで高速をおり、しばらく道なりに美ヶ原高原へ。
遠くに見える山々の景色を見ながら、気になるのは道路標識に出てくる「中山道」という文字。
中山道〇〇宿という看板も目に入ってきた。
あ~、今晩はこういうところに泊まってもいいか。

少しずつ山道へ。


でもなんだか行く先に段々と雲がかかってきている……あんなに晴れていたのに…
「大丈夫か?美ヶ原?」 と心の中で不安もよぎり始める。

進めば進むほどに霧までが濃くなっている……
確かに「美ヶ原高原にいらして」と聞こえてきたんだけどな。
直感を信じて進むも、進めば進むほど、さらに霧は濃くなるばかり……。
ネットも接続しにくくなってるし、やばい、不安だ……。

霧の濃さは美ヶ原高原に近くなればなるほどに濃くなるありさま。
5m先が見えるか見えないか、そんな異空間みたいな感覚。

ようやく目標としていた美ヶ原高原美術館の駐車場に到着!
しかし、周りは全く見えずに、美術館がどこにあるかもわからないほどの濃い霧。

駐車場に泊まっている車は、他に3台。
そのうち、二台の車が父の出身である水戸ナンバー!
「ほう、水戸かあ~。安心する~」…じゃなくて美術館(笑)!
でも、この濃い霧じゃ美術館を探すことさえできない。

仕方ない。美術館をあきらめて諏訪湖へ向けて出発するか。


…あれ?


3台の車の横を通り過ぎていくと、3台目の車の脇に女性が1人佇み、雨がっぱを着てこっちを見ている。
しかもこちらに向かって微笑みかけているように。
その場にいる人が普通に微笑みかけているような感じではなく、とても印象的な感覚。

大きなものに包まれていることを知らせてくれるような…

「こんな濃い霧の中にいるように感じるかもしれないけど、安心感の中にいてくださいね。わたしたちが見ていますから。」自分の内側にやってきたささやき。

そうか。うん、そうだ!前に進もう!

高原を下りていく途中、小さなドライブインに入るとすでに15時。

やばい、今晩の宿をまだとっていない…

検索してみると、目当てにしていたホテルはものの見事に全部埋まっている。
どうしよう…
そのとき目の前にポン!と入ってきた宿があった。
選んでいる暇はない、少し高めだけど、えい!詳しく調べもせずに、とりあえず予約。ようやく一安心♪


しかしこの宿。
後で気づいたことですが、温泉に入りながら諏訪湖を一望できる宿で、数年前にこの宿に泊まりたいと思っていた、
まさにその宿だったのです。
さすがだな~笑!(^^)!



美ヶ原高原から諏訪湖 約40km



第三幕へつづく。

2019年04月06日

第三幕 諏訪湖の御神渡り


美ヶ原高原から諏訪湖へ向けて、山道を下りていくと濃い霧も段々晴れてきた!
少しホッとする。
霧の中を進んできたからこそ、目に見えることへの有難さをしみじみ感じる。
目に見えることも本当に大事なことだよな。


街並みが見えるふもとに降りてくると、
「湖の近くで遊んでいって」と言葉が響いてきた。

湖って、どこだ? 白樺湖か?
そんな思いもよぎったが、早く温泉に入りたかった私は諏訪湖畔に向かうことにした。


諏訪湖に近くなってくると、諏訪大社の看板がちらほらと目につく。

宿に到着!さっそくチェックインすると朝食付きで予約したつもりが素泊まりに。
「素泊まりであの値段だったのか!わかっていたら、予約しなかったのに…」
そんなことを思いながらもさっそく温泉に行くと、見事に吹き飛んでいった我が感情(笑)!

宿の6階にある露天風呂から、目の前に広がる諏訪湖を見たら、気持ちがこみあげてきた。
数年前に泊まりたいと思ってた諏訪湖の温泉宿はここだったんだ。
なんとなくバックにいる目に見えない存在たちの計らいを感じながら、夕やみに暮れていく諏訪湖畔を眺めていた。

ふと気になって、温泉の説明書きを読んでいると感覚が蘇る。
「そうだった。諏訪湖は、中央構造線とフォッサマグナの断層が交差するポイントだったんだ。」 

しかし、まだこのときは自分はただ温泉に入りに来たんだよ、とそのくらいに思っていた。
(確かにそうなんだけども)


夕食は、宿のすぐ向かいにある素敵な飲み屋さん。
不思議と宿を予約した時から、宿のすぐ近くで美味しく夕飯を食べられるお店があるという確信みたいなものがあった。
3種類の地酒をきき酒し、絶品のアジフライと特性の黒うどん、心配りの行き届いたスタッフさんのおもてなしで、ゆったりと穏やかな時間を過ごすことができ心が満たされる。
宿に戻ると、諏訪湖の近くにある神社が少しずつ気になりだした。

ロビーで手に取った散策マップを見ていると、「八剱神社(やつるぎじんじゃ)」が目から離れない。
さっそく調べてみると諏訪湖の御神渡り(おみわたり)を毎年確認し、代々記録を書き記してきた神社であることがわかった。なるほど。
御神渡りとは、諏訪湖が氷結して氷が数十センチ膨れ上がる現象が湖上をうねるように現れるもの。




そして、再び温泉へ。
露天風呂に入ると、諏訪湖の向こう側の夜景が綺麗に見えて、左頭上には満月前の綺麗な月がさんさんと輝いていた。
隣にいた同年齢位の男性が内風呂へ入っていくと、間もなく「コーヒーを飲んで」という声が唐突に心に響いてきた。

私はこんな感じで、心の内側を通して目に見えない存在と対話をしながら日常も過ごしているが今回は少し考えた。
「コーヒーって、どういう事よ?」 

すると目の前の諏訪湖が真っ黒に見えることに気がついた。
諏訪湖にハートから意識を合わせて。ということかと思い、スーッとハートに意識を合わせながら呼吸をしていく。

少しずつ、諏訪湖と意識が合わさっていくとエネルギーが大きく広がっているのを感覚的に捉え、宇宙、そして自分の意識も同じように広がっているのを感じた。
あまりにも美しく輝く月を見ては諏訪湖をじっと眺め、空に光る星々とも意識を合わせていた。

少しすると、内風呂に入っていた彼がまた露天風呂にやってきた。
さっきは話しかけれなかったから、今度は話しかけてみようと「本当に綺麗な景色ですね」と声をかけてみた。
しかし、彼から返ってきた言葉はこうだった。

「風が、急に止みましたね。」 

「え? あ、確かに風が止んでいる」

全く予期していなかった彼の返答に、心の中で不思議な感覚に包まれる。
確かにさっきまで、強めの風が吹いていた…。
自分の意識と自然が一体化した感覚を得ることが出来た瞬間。

諏訪湖から箱根に向かう霊ライン。精霊の動きを感じずにはいられなかった。


第四幕へつづく。

2019年04月06日

第四幕 青空感謝と八剱神社


身支度を整えて宿を後にすると、雲が幾分薄くなり心地よい天気になっていた。
八剱神社近くには酒蔵が四件並んでいる通りがあり、お散歩気分で神社の近くに駐車。
神社と酒蔵めぐり、どちらから行こうか悩んだが自然と神社の方へ歩みを進める。


まだ曇りがかっていたこともあり、境内はしんと静まり返り、少し薄暗さもあるような印象。
境内の様子をうかがいながら、もう一つの鳥居をくぐり本殿を前にする。
賽銭箱の脇に立ててある小さな板には、御神渡りについて書かれていて、お目当ての神社だったことを確認できた。

ハートの前で手を合わせて、心をともにして意識を合わせていく。
ハートの中でしばらく、その場と、自分の中央へ意識を合わせながら、自然と手が離れるまで意識を保っていた。

スッと後ろを向き、そのまま一旦鳥居の外にでた。
目に入ってきた八剱神社の案内板を読み終えると「もう一度、中に入ってください」という言葉が響いてきた。

ん?もう一度?

出たばかりの境内に目を向けると、一瞬、地面を照らす木漏れ日の光が増し、中に誘われている合図だと感じた。

改めてもう一度鳥居をくぐると、先ほどは気づかなかった末社が目の前に入ってきた。
出雲・大国主・事代主…
「ああ、出雲の神さま達だ」
その末社に手を合わせ、心を合わせてお参りをした。

そして頭上を見上げると、先ほどまでの少し薄暗さのある雰囲気から一変して青空が広がっていることに気がついた。
その空を見ていると、なんとも爽快な気分!

そういうことだったか。
言葉にならない、奥深くにある神さま方の動きや、自然神と自分のハートの中で起こる見事な連動を感じ取った。



この写真は、すぐわきにあった御柱。
このような見せ方は、霊界からの御挨拶だったことを後からメッセージで受け取ることができた。
自分が自然と足が向くところに行くと、必然的に目に見えない上の世界も動くという事だろう。まるで竜宮城のようだ。
頭上に広がる青空は、本当にスッキリとしていて、その光景を見れていることに感謝の気持ちがこみあげてきた。


鳥居の前で、「ありがとうございました」とゆっくり一礼して、八剱神社を後にした。

その後、情緒あるわき道を歩きながら酒蔵のある通りへ。ゆっくり参拝して気分も晴れ上がった後の散歩は、なんとも言えない心地よさが漂い、最初に目に入った酒蔵にそのまま入ってゆく。

何かお酒を買っていこうと思い、物色中。「八剱」というお酒が目にはいる。
他にもいろいろと種類はあったが、「やっぱりこれだよな」と小さいお酒を一つ買うことにした。

そうそう忘れてはいけない、次は諏訪大社に行くことにした。


「泊まるところも、お参りするところもすべて神任せ♪」


第五幕へつづく。

2019年04月06日

第五幕 「いつくしみ」を必要とする世界


時計を確認するともうお昼近くなっていて、箱根までの移動時間が頭をよぎったが、諏訪大社へ足を運んでみることにした。晴れ上がった青空が、ドライブをさらに心地よくしてくれている。

「そろそろ近くなってきたかな?」
目の前に見えてきた一つの山。周りの山とは明らかに異なる雰囲気を持っていた。
近くなればなるほど、あれが諏訪大社のご神体山だろうという確信みたいな思いが強くなる。

正面の鳥居に到着。案内看板を確認し、

「やっぱりそうか!しかし、あの山の存在感はすごいな」と、遠目からでも写真を撮りたいと思えるくらいの感動があった。


ゆっくりと社殿の前まで歩き、お参りをする。
なぜか二礼二拍手をする気持ちになれず
ゆっくりハートの前で手を合わせていた。

このとき私の中に、理解を超えた感覚だが
決められたことへ従うことに対する反発感が生まれていた。
何か、自分の中で、長い歴史を通じて封じ込まれてしまったような。
そのことに対するトラウマのような感情なのか。

決められたことに従う人々の意識
そして、それらを決めるある種の力。
それに対する反発感が私の内側で、にわかに沸き出ていた。


心もなんとなく落ち着かず、神社正面の鳥居の向こうにあるお土産屋さんの通りを歩いていった。
「りんご美味しいよー」というおばちゃんの声に誘われて紅玉のリンゴを買い、一息つく。
お土産を買い、並びにあったラーメン屋で昼ごはんを食べることにした。
ラーメンを作っているのは二人の女性で、お互いに心配りをしながらラーメンを作っていた。
また、お客さんにラーメンを手渡す時に心地良く響いてくる声がその場をとても明るくしている感じがした。

いろんな思いを抱えながら、再び境内を歩き、駐車場に戻り、箱根に向けて富士山方面へ向かうことにした。

駐車場を出て間もなく、ちょっとした不思議な光景に出くわした。
両脇が田んぼの小道をゆっくり走っていると、左から白サギが道路を横切ろうとしている。

「おおお、サギ!こんなに車が近づいても逃げないなんて」

悠然と目の前を歩くサギの姿を見ているうちに、白サギの首が「S字」になっていることがクローズアップされていく。

そのバランスの整った、やわらかく、見事なS字に気づいた瞬間に
「いつくしみ」だと思った。

ああ、そうか。
白サギが気づかせてくれたことは、自分の中のエゴ(小我)の調整でもあった。
内側で、にわかに湧き出ていた反発感。
でも例えば、片方が悪いと勝手に思って、それを意識していたら、きっと何もまとまらないのだ。


「いつくしみ」

ただそのものを受け入れることがとても大切で、呉越同舟(ごえつどうしゅう)のように一緒の船に乗っている者同士、睨みをきかせるのはよくないぞ、と教えてもらったような気がした。

大切なことを、この場所は気付かせてくれたんだな。

そんな思いと心からの感謝を抱きながら、富士山に向かうことにしたのだった。

2019年04月06日

第六幕 富士の山を越え、通せんぼの光


諏訪インターから高速に乗り、しばらく車を走らせると空が曇り始めているのを感じていた。
両脇に見える景色をゆったら眺めながらドライブを楽しみ、甲府南インターでいったん高速を下りた。

ナビで選択すると、諏訪から強羅までは、河口湖と山中湖の方を通るルートを示していたが、反対側の朝霧高原を通っていくルートを運転してみたかったのだ。その道中、富士五湖の一つくらいは見れるかなと淡い期待も持ち合わせて。

甲府南インターから富士山へ向けては、なだらかな山道を抜けていくことになるのだが山道に入っていく手前で車を停めることにした。

そこには山キノコを売っているお店があったが、お店の反対側に自然と目が移っていった。
道路の向こう側に見えたのは、街の景色。
その景色を眺めていると、母方のおばあちゃんのことが思い出されてきた。
「おばあちゃんが生まれ育った場所は、こういうところだったんだろうな」と、少し感慨深げに景色を見ていた。

運転を再開し山道を進んで行くと、山々には濃い雲がかかり始めている。
山間を抜けてしばらく行くと、小さな湖が目の前に急に現れてきた。
初めて見る精進湖(しょうじんこ)。
湖を眺め運転を再開しようとした矢先、言葉が心に響いてきた。

「ここでもアクティビティがあるんですよ。」

「お!なんだそれ?」

どれどれ。さっと精進湖に視点を移すと、湖の反対側のあるポイントが目に入ってきた。
まるでググッとカメラのレンズで拡大されるかのように。

「よし、あそこだな」

すぐに車を反対方向に走らせ、先ほど見えたポイントの近くに駐車。
湖に触れられるくらいまで歩き、ゆっくり景色を眺めてみた。霧が薄く山々にかかっていて、辺りは静けさに包まれている。そんな場所で、自分の心にスーッと意識を合わせていく。

間もなく「日本は、仏教神国(しんこく)、聖カトリック」という言葉が響いてきた。
仏教神国、聖カトリックか。
なるほど。
いろいろな捉え方があって、それが混ざり合っていることがとてもいいことなんだろう。

もう少し意識を定めていくと、
「諏訪湖畔で自分の中で起きていたことを踏まえて。一つのことに偏らずに、多くのことが混ざり合うことが大切です」
その言葉たちが響いてきた。
湖が鏡となり、自分自身に必要なことを映し出してくれた。
そうか。
心の内側のアクティビティだったんだな。


精進湖へ感謝の思いを伝え、再びドライブを進めるとすぐに本栖湖(もとすこ)へ行きついた。
時間もあまりなかったが、寄り道をしていくことにした。

水際まで歩いていくか迷ったが、行って正解だった。
湖に向かって歩いていく途中から、美しい景色に見とれてしまうほど!精進湖とはまた違う雰囲気だ。



しばらく、湖面に映し出される綺麗な光を眺めていると、さらに心が落ち着いてきた。
周りの山々から感じる、何とも言えない心地よさや静けさから懐かしさを感じていた。
ずっとこの場所にいたいと思えるほど、穏やかだったのだ。

景色や雰囲気をじっくり堪能した後、再びドライブへ。
なだらかな山道を下りながら朝霧高原に入るも、富士山は見えなかった。
「富士山はやっぱり見えないか……」
でも見えないものは仕方がない。

気を取り直して、運転していると富士山の反対側に見える山々が目に入るようになってきた。
山に薄く霧がかかっていて、とても綺麗に見える。
富士山が見えていれば、きっとその山の綺麗な景色に気が付けなかったかもしれない。

そんなふうに思っていると、自然の細部に宿る息吹を感じることも今回の旅のテーマの一つかもしれない。

朝霧高原を抜けて富士宮を通り、富士のふもとを走り抜けていくと富士サファリパークの看板が見えてきた。
ここまで来たら、あともう少し!

御殿場を通り、箱根に入るころには辺りはすっかり暗くなっていた。
目的地の強羅に近くなると少しずつ山道にさしかかり、道はさらに急になり、それに加えて山間部なので辺りは真っ暗。

ナビが示すとおりに進んで行くも、
「本当にこんなところに宿があるのか?大丈夫か?」と、不安でたまらないくらいの細い道を辿り…
そしてようやく!その日の宿に着いたのであった(^^♪


最終幕へつづく。

2019年04月06日

最終幕 富士の峰が見せてくれたもの


宿に着いたときには、すでに辺りは真っ暗。
入り口はこじんまりとした感じで、受付の女性が笑顔で出迎えてくれた。
ひと通りの案内を受け、いざお部屋へ。
掃除の行き届いた落ちつく部屋。夕食までの時間、さっそく温泉に入ることにした。

大涌谷から直接温泉を引いているってホームページに載っていたけどどんな感じかな?
お湯の色は、乳白色。ダイレクトに温泉が効いてくる感じがした。
「これが湯治というものか」
そんな思いも出てくるくらいに、趣のある浴場と温泉の濃さのバランスが絶妙であった。

夕食の時間。
食堂にいくと私一人の分だけが用意されている。
他にお客さんはいないのかな?気まずい…と少し戸惑ったが、ビールを飲み、ゆっくり食事をいただいていると、そんな気持ちもどこかへ消えてしまっていた。スタッフの方の心あるもてなしと、大変美味しい料理。
本当に芯から癒された感じがした。

そして迎えた、旅行最終日の朝。
強羅に来る前から観光地の大涌谷に行くことは決めていて、海外で働くことを目論んでいる私は、最終日こそ海外の観光客の方とお話しでもしてみようと、ひそかに決めていた。

朝起きて、浴室の脱衣場に行ったらびっくり。
なんと、大柄な外国人の男性が鏡に向かっていて、ひげを剃っている。
思っていたことが朝一番から的中した!

誰もいないと思っていたところに突然現れたものだから、「おー!なんとここで来たか!」と、心の中で少しワクワク。
湯船に入るタイミングを見ながら、話しかけてみることに。
その方はオーストラリアから来ていて、ラグビーの選手だったが右肩が年を重ねるごとに痛くなってきたことや、ウェールズでプレーしていたことなどを話してくれた。
出会いはいいな♪

温かな宿を後にし、いよいよ、最後の目的地である大涌谷へ向かうことにした。
早雲山駅で車を停め、ロープウェイに乗っていくのだがその場は多国籍そのもの。
ロープウェイから見える景色は心地よく、大涌谷から上がる蒸気も見えてきて、期待が膨らむ。

大涌谷駅に着くなり、最初に見たかったのはやはり富士山。
少しでも早く見たくて駅の建物の裏側に回ると、立派な富士山が目に飛び込んできた。
その情景は思いもよらない、とても一言では言い表せないものであり、その美しさにしばらく感激し、見惚れていた。



そして、旅の中で感じてきたすべてのことに対して
「答えは、こうである」 と、旅の結びに言葉をいただいた。




富士山の前に、ドーーンと引かれた「一」の文字。



「どこまで行っても、一つじゃ」
「日本の神々も、一つじゃ」
「すべの人類も、一つ」

「そのことを忘れないでおくれ、希望の選択じゃ」

自分の体験の中から自然とわき起こり
「これはこういうものだ!」と心の中で決めつけていたことも
みなそれぞれに生き方や捉え方があるから、それらは一つではない。

しかし、
意識の向け方ひとつで全てのものは一つにつながるのだよ。

その言葉。
大切なことを今回の旅の締めくくりに、教えていただいたのだ。





旅の終わりに☆

今回の旅は2泊3日の短い間でしたが、本当に濃い内容が含まれていたことを帰ってきてからもさらに感じることができました。日常に起こることを眺めると、さまざまなことが旅の中で体験したことに連続的に、そして断片的にもつながり続けていることも感じます。日々の日常も旅として捉えると、それ自体も一つひとつ繋がり続けるのだと思えます。

新しい旅をまたしてみたいと思います。
最後まで、お読みいただいて、本当にありがとうございました♪

2019年04月06日