このページでは、拙著「ハートの医学 自分を解き明かすための意識の使い方」の本文を紹介しています。P132~134



インナーチャイルド

私たちが子どものころに体験することは、楽しいことばかりではなく、つらく悲しいことも数多くあります。人によっては家庭生活の中で体験することが、心の深い部分に根強く残っていることもあるでしょう。学校やそのほか周囲の人との関わりを通して、心に傷を負うこともあるかもしれません。
これらの体験によって生み出される感情が、一つひとつその場で癒されていけば良いのですが、私たちはそれらを内側に閉じ込めていってしまう傾向にあります。
そして成長の過程において、知らず知らずのうちに忘れていきますが、実際にはその過去の体験による感情は、心の奥深く=潜在意識に埋もれた状態になっています。それは、かき消してもかき消されることなくオーラの深い部分にしまわれ、記録されるかのように一人ひとりの内側に存在し続けます。

このように、子どものころに体験した心の傷やナイーブな感情は、大人になってからも常に私たちの内側に存在しているわけですが、これらを総称してインナーチャイルドと呼びます。
そして私たちは、このインナーチャイルドの影響を、大人になってからも大きく受けていくことになるのです。

感情がおぼれて死んだようになっている

幼少期からためてきた感情は、内側に潜んだまま何年、何十年とそのままになっています。
高速道路の高架下の例(P114)を使って案内をしましたが、自分のインナーチャイルドの歴史が、自分自身の高架下の柱をも作っているのです。その中には、内側の奥深くでおぼれて死んだような状態になっている感情もあるでしょう。
そのため、私たちは日常のさまざまな場面でぐらつくことがあると思います。しかしそれは、心の奥深くに潜んでいた子どものころの感情が、日常の機会を通してふき出してくるからであり、ぐらつくことが悪いというわけではありません。日常の機会がきっかけとなり、自分の内側から現れてくるものを、悲観的にならずに受け入れていくことが大切になります。

意識の使い方が新しく変化していく

さまざまな出来事がきっかけとなり、内側のものが引き出されてくるこのサイクルは、人間の中にある、ごく自然な特性である、と私は捉えています。なぜなら、このサイクルにより日常の中で気づきを深め、自分らしい本来の生き方を模索もさくしていくことができるからです。内側から現れる感情を見つめ、ひも解いていくことができれば、今までとは違う新しい意識の使い方ができるように変化していくのです。

P134~136「インナーチャイルドは導き手」へ


オンハート出版(らいおんハート X Vision 出版事業部)

□ 2021年1月16日刊行
ハートの医学 自分を解き明かすための意識の使い方
ハートと「いつくしみ」の実践案内 カウンセリングアイアムの基礎 
定価2,700円+税


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