ししゃも一本で思うこと

昨日の夕飯の一品に、ししゃも4本を焼いた。
目の前の妻は、「焼きたてのししゃもおいしい!!」と満面の笑みである。

いっぽうの私は、ししゃもを食べた瞬間に、その昔、父が晩酌のつまみにししゃもを食べていたのを思い出した。夕飯よりも先に出されてくるししゃもを、私も一緒に食べたりしたこともあった。

その光景を思い出しながら、なんとなく昔の父と母を思い、少し感傷に浸っていた。

もちろんししゃもを焼くのは母だったが、仕事をして疲れて帰ってきた旦那に対してししゃもを焼いてあげようと、旦那を思う気持ちがあったんだろうなと。父と母にとってはささいな日常だけど、そのことを少ししみじみと思っていたら、ししゃもの残りは1本になっていた!

もちろん、妻が既に2本食べたはずなのだけど、ししゃもがあまりにも美味しすぎたのか、「あれ、このししゃも誰の?」なんてとぼけたことを言って、妻はもう1本食べたそうにしている。

いつもだったら当然、「なにとぼけたこと言ってんの??」なんてツッコミをいれるところだけど、昔の思いに浸っていただけで充分だった私は、結局、妻に最後の1本をゆずった。

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