先日の女子サッカーワールドカップをテレビで見ていて思ったことを書いていきます。
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グループリーグと決勝トーナメントの一回戦までは、本当に素晴らしい試合を重ねていた、なでしこジャパン。しかし、準々決勝の格上の相手(FIFAランキング3位)スウェーデン戦では、それまでと同じような試合展開にはならなかった。(日本は同ランキング11位)
前半スウェーデンの得点直後のシーン
グループリーグでの格上スペイン戦(同6位)では、一本の正確なロングパスから、確実にシュートを決められる技術の高さを披露していた。決勝トーナメント一回戦のノルウェー戦(同12位)では、巧みなパスワークから終始ボールを支配し、危なげない試合運びで完勝した。反対にスペイン戦では、ボールを支配する時間は短かったものの、相手にボールを持たせていても、ゴールに近いエリアになかなか入らせなかった。これは、意思疎通がしっかり取れていた守備力の高さが大きな要因であると思った。
一人ひとりが自分の役割をわかっていて、その上で、全員で一丸となる共通認識(共感力)の高さが現れていたように思う。これこそが、日本の代表チームが海外で戦う時のお手本といえるような、日本人の資質が前面に現れた結果と言える。
しかしスウェーデン戦では、ある意味、真逆の要素が前半開始直後から現れ始めた。相手が、個人の技術やフィジカルの面(身体の大きさや強さ)で上回っていることも影響してか、常に劣勢となる。
味方にパスを出しても、相手の動き出しが早く、簡単にボールを奪われてしまうケースが重なり、スウェーデンは前の試合のアメリカ戦での勝利の勢いをそのまま日本戦にぶつけるかの如く、前のめり気味に前半から飛ばしているようにも見えた。そんな勢いのある相手の猛攻に、私の目には、日本人選手が自信なさげにプレーをしているように見えてきた。
日本人は、どの国よりも協調性が高く、まして女性は、男性よりも共感性が高いため、誰かがミスをおかす、もしくは自信を失くすとその影響を受けやすい状況にもなる。これは、日本代表がチームとして結束する時ほど、顕著に表れるときがある。
この試合の中でも、フィジカル面での弱さと相手のスピードについていけない時間が続いたため、一人ひとりの内側(少なくとも何人かの選手)に、自信のなさが立ち現れていたのではないか。そして、自信のなさがプレーに現れてしまった時に、よりそれが周りに影響を与えてしまう。そんな場面が、幾度となくあったように、私には見えた。たとえば、相手のゴール前まで攻め込んだプレーをみても、もう少し相手陣内に深く切り込んでから、ラストパスを出した方が決定的瞬間になったのではないかなと、思える場面など。
だからこそ私は、「自信をもって」「自信をもって」と心の中で声をかけながら試合を見ていた。
結果は、1-2での敗退。善戦及ばすというよりは、あと10分あれば、結果はどうなっていたかわからないくらいだった。後半の途中からは、日本の組織力が疲れの見え始めた相手を完全に圧倒していた。
冒頭のほうで述べたように、とくにノルウェー戦までの、なでしこジャパンは、技術力やチームの戦術、組織力でも世界のトップレベルと思える位の危なげない試合運び(快進撃)を見せてくれた。ここまで来るために、一人ひとりの努力や関係者のサポートも多大なものがあったかと思う。
それでも、私はあえてつづりたい。
これまで「意識」の使い方を専門的に研究してきて、やはり、心技体の「心」の部分がたいへん重要であると、今回の試合運びを見ても確信した。なぜなら、「心技体」の文字にみるように、ベストのパフォーマンスができるかどうかは、「心」の部分が3分の1のウェートを占めていると思うからだ。
この部分は、レベルが拮抗、または格上の相手との試合、もしくは、ベストの心理状況でないとは好成績が出せないようなハイレベルの大会のときほど、重要であると私は考えている。これは、女子サッカーに限ったことではなく、すべてのスポーツや、それ以外のことにも共通する内容であるかと思う。
もし、日本女子サッカーチームに今後の課題があるとすれば、見解はさまざまであるかと思うが、私が、試合を見て簡単に洞察した内容は以下の通りである。
- 一人ひとりの意識のコントロールをより大切にする。劣勢のときほど、自分自身の最高のプレーをするために、同チーム内に発生する低いマインドの影響を受けないようにする。
- 自分の強さと弱さ、またチームになったときに強さと弱さを知っていること。一人の日本人が海外のチームに入ってプレーする時と、日本人がチームとなって海外のチームと戦う時では、まったく違った状態になる可能性がある。弱さに関しては、自分が知っているのと知らないのとでは大きな違いがある。知っていることで、そこへ対処が、より短時間でできるようになる。
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ここまで、私見を述べてきましたが、これはあくまでも短時間の中で捉えた内容です。
必要な場合には、問題点に対して深く洞察を加え、アドバイスをすることができます。
らいおんハート X Vision では、アスリートの方に基本として「意識の使い方や心身(メンタル)の調整の仕方」をお伝えしています。ご興味のある方は、以下のページをご覧ください。
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