このページでは、拙著「ハートの医学 自分を解き明かすための意識の使い方」の本文を紹介しています。P134~136



インナーチャイルドは導き手

インナーチャイルドはさまざまな効用を生み出す、と私は捉えています。
幼少期の体験をふり返っていくと、気づかなかった大切なものがその部分に眠っていたことがわかります。だからこそインナーチャイルドは、それを知ってもらいたくて、日常の出来事を通し、大人になった私たちをゆり動かしはじめます。
はじめは、うっすらと立ち現れてくるような感じかもしれません。人によってそのサインはさまざまです。寝る前や朝起きたときに浮かび上がってくることもあります。人との関わりを通して、または映画やテレビドラマを観ているときに、過去の感情を再び感じることもあるでしょう。
このようなときは、自分の内側に意識を向けていくことが大切なのですが、私たちはそれらにフタをしてしまう、または気づかないふりをしてしまうものです。

なぜなら、過去のつらい体験を見つめていくということは、暗いトンネルの中に再び入るようにも感じるからです。しかし、内側からのお知らせを見逃し続けていると、それらはしだいにふくれあがるかのように大きくなっていきます。
たとえば、イライラしたり、怒ったり、人前で感情をコントロールできずに迷惑をかけてしまうなど、自分でも信じられないくらいに、取り返しのつかないことをしてしまうこともあるかもしれません。しかしながら、このような体験こそ、大切な場合があります。内側のアンバランスな状態は、表に出ることにより、はじめて捉えていけるものなのです。

大きな失敗をしてしまったとしても、遅くはありません。人の内側にある心の傷が癒されなければ、数多くの問題行動は再びくり返されてしまいます。大切なのは、その原因である内側の感情を癒していくことなのです。
いったん立ち止まって、原因となっているものを見つめていくことが大切だからこそ、インナーチャイルドという希望への導き手が、立ち現れているのです。

過去の体験はリサイクルされる

幼少期から体験してきたことが整理されないままでいると、「過去のリサイクル」という体験が私たちの内側で引き起こされていきます。内側に潜んでいくものは、忘れ去られていくようでありながら、ずっとくすぶり続けています。だからこそ、人の言動や目の前で起こる現象をきっかけとして、幼少期にため込んでいた感情は表に現れ、リサイクルするかのように、私たちは同じ感情を生み出していってしまうのです。
大切なことは、過去の自分に対して、温もりが必要だということを知ることです。今の自分の心の状態がぐずついた天気のように思えても、それは今体験しているだけではなく、子どものころの感情を再体験しているのです。

P136~139「オーラは感情や情報の記憶庫」へ

オンハート出版(らいおんハート X Vision 出版事業部)

□ 2021年1月16日刊行
ハートの医学 自分を解き明かすための意識の使い方
ハートと「いつくしみ」の実践案内 カウンセリングアイアムの基礎 
定価2,700円+税


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